「何が起きるかわからないから
人生は楽しいのだ」という人生を
40年ほど営んでおります。
こんにちは。
不測の事態コレクター、
Gakujin@ハノイです。
1ヶ月前の話ですが、
私がベトナムテレビ(VTV)に着任した日。
記念すべき
不測の事態・第1号は、
同僚からのお誘いから誕生しました。
同「あした、VTV4の英語番組チームが
日本料理店でロケをするそうです。
一緒に行きませんか?」
私「いいですね!行きます!」
どんな番組かさえわかりませんし、
私の英語力は問答無用の
英検3級(中学卒業程度)なのですが、
日本料理の取材なら、
日本人として何か役に立てるかも。
そう思い、即OKしました。
翌日。
同「ではロケへ行きましょう。」
私「行きましょう!」
同「Gakujinさんは
”ごかんのげ”を知っていますか?」
私「・・・ごかん?」
互換? 語感?
はっ!
あれだ。
五観の偈(ごかんのげ)。
禅宗などの仏教で、
食事の前に唱えられる5つの言葉。
食事をいただく際の心構えを
短い文にまとめたものです。
細かい説明はこちらでご確認下さい。
数年前、日本のお寺を取材した時に
軽く触れただけなので正直に言いました。
私「いや、ほとんど知らないです。」
同「では 五観の偈について、
今のうちに勉強して下さい」
私「ぇ?」
同「番組の中で、
日本人が五観の偈について
説明するシーンがあります」
私「シーン!?」
いつ決まったんだろうその台本と配役。
同「大丈夫です、少しですから」
私「いや量の問題ではなくて」
同「日本語でOKですよ」
私「いや言語の問題でもなくって・・・」
同「世界中で放送されますよ♪」
私「うそでしょ」
一定の信仰をもたない私なんぞが、
仏の道を人に説くなど
1000年早いと思いましたが、
どうやら引き返せない道だと悟った私は、
移動中の車内でできる限り調べ、
最低限の情報をまとめることに。
私「お店までどのくらいかかりますか?」
同「10分くらいで着きます」
私「うそでしょ」
★ Nhà hàng Nhật Bản Akaari2
ハノイ市タインスアン区
本当に10分で着きました・・・。
日本のお店に引けを取らない、
日本料理の名店です。
お店では既に英語チームのクルーが
料理の撮影を進めていました。
良い機材だなー。
そこはそうやって撮るのか。
などと
ベトナムの撮影スタイルに
見とれていると・・・
取材を受けるお部屋へ通されました。
やばい。
時間がない。
楽しそうに料理を撮影する同僚を前に、
配属2日目の”にわか坊主”は
念仏を唱えるように
“ごかんのげ”を丸暗記しました。
料理がそろいました。
日本人が”五観の偈”を語る、
例の「説明シーン」、収録開始。
こうしてできあがった番組が
こちらです。
“FINE CUISINE”
2021年11月25日 VTV4で放送
ちゃんとした英語のナレーターが
吹き替えをしてくれているので、
それっぽく見えます。編集に感謝。
日本ならまず引き受けない
無茶ぶり経由の「不測の事態」ですが、
私は無茶ぶられて、
本当に良かったと思っています。
“五観の偈”の第一は
“計功多少 量彼来処”
功(こう)の多少を計り、彼(か)の来処(らいしょ)を量る
という言葉なのですが、
これを超訳すると、
「いただきます」に
感謝を込めなさい
という意味だと私は解釈しました。
目の前の食事は、
誰がどのように用意してくれたのか。
食材が料理になるまで
どれだけ多くの支えがあったのか。
そういうことに思いをめぐらせながら、
深く感謝をして食べましょう。
これぞ、
「いただきます」の原点
だと私は思います。
当時、ベトナムに来て1ヶ月あまり。
ホテルでの恵まれた隔離生活と
フルーツ三昧の日々にうつつを抜かし、
私はいつしか、
「いただきます」の心を
忘れかけていました。
国が変わろうと、
食事が変わろうと、
日本人として大事なものを
変えてはいけない。
着任2日目のベトナム初仕事は、
私の緩みかけた気持ちを戒める
かけがえのない
不測の事態でした。
撮影後は久々の和食をゆっくり堪能。
ありがたい料理、ありがたい生活、
そしてありがたい仲間に感謝!!
ごちそうさまでした。
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