ベトナムの「いい天気」とは青空のことじゃなかった話~協力隊の訓練所で見た日本の「いい天気」との違い

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こちらは
ベトナム中部の観光都市、
ダナンです!

 

いやー、
気持ちのいい青空

食べ物はおいしいし、
人はフレンドリーだし、
言うことなし。

 

落ち込むこともあるけれど、

私、この町が好きです。

※魔女の宅急便より

 

 

やはり、
ベトナムに来てよかった!

 

 

 

・・・という旅行をしたのは
おととし(2019年)の夏。

過去の写真を見ながら
思い出にふけっておりました。

 

こんにちは。

ホテル隔離生活14日目

Gakujin@ハノイです。

 

実際は、
毎日窓から同じ景色を眺めつつ、
ひたすらオンラインの語学授業
励んでいます。

その授業の初日に教わったのが、
タイトルのお話です。

 

 

 それぞれの空

冒頭に挙げたダナンの青空を見て、

「きょうはいい天気ですね!」

とタモリさんが言ったら、

おそらく日本人の大半が

「そうですね!」

と答えると思います。

意味がわからない方は
「テレフォンショッキング そうですね」で検索。

 

ところが、同じ空を見て

「Hôm nay trời đẹp nhỉ!」

 (きょうはいい天気ですね!)

ベトナム人に言ったら、

人によっては

「うーん・・・」

という反応になります。

 

授業でお世話になっているフオン先生に
このダナンの写真を見せたところ、
こんなご意見をいただきました。

 

ダナンのビーチで青空なら、
確かに「いい天気」だと思う。

でもハノイで同じ青空だったら
「いい天気」とは言わない。

 

どういうことかというと・・・

 

ハノイが位置するベトナム北部は
日本と同じく四季があるものの、
夏は40度をざらに超える熱帯気候

 

そんな環境下での「夏の青空」とは

外を歩きたくないほど
強い日差しに見舞われることを
意味します。

大気汚染のせいですっきり晴れることはほぼないのですが。

 

日本語の「晴れ」は
ベトナム語で「nắng」(ナン)と
訳されますが、

nắngは「日差しが強い」という
ネガティブなニュアンスでも使われます。

 

なので、
ハノイに住むフオン先生にとっての
「いい天気」とは、

気温がほどほどで、
日差しが強くない薄曇り

なのだそうです。

 

 

ハノイ・2018年

私も3年前の夏、
灼熱のハノイを散策しましたが、

暑すぎてずっとカフェにこもり、
突然降り出した雨に
「ラッキー・・・」とさえ思いました。

 

「インスタ映え度」と「心地よさ」は
全く比例しないことを痛感しました。

 

 

 

ダナン・2019年

一方、
ダナンであの写真を撮った日も
半日でTシャツを2回替えるレベルの
猛暑だったのですが、

リゾート地という環境もあり、
やはり曇天よりも青空がいいなぁ
感じていました。

 

当たり前の共通認識と思いがちな
「いい天気」の意味は、
人や場所によって異なる。

 

ベトナム最初の授業で、
それを再認識できました。

 

 

ほんとの空

青空で思い出したのですが、

 

日本にはなんと、

「空」を観光資源にしている
自治体
があります。

 

それは 

福島県二本松市。

JICA海外協力隊の訓練生活で
私が1ヶ月半お世話になった場所です。

 

二本松市内の空&牛

 

空を推す所以は、
詩人&彫刻家・高村光太郎
名詩にあります。

 

~~~~~

智恵子は東京に空がないといふ、

ほんとの空が見たいといふ。

(中略)

阿多多羅山(安達太良山)の山の上に

毎日出てゐる青い空

智恵子のほんとの空だといふ。

あどけない空の話である。

高村光太郎「智恵子抄 あどけない話」より

~~~~~

 

光太郎の妻・智恵子が
「ほんとの空」と表現しているのが、
故郷、二本松市から見た空です。

「ほんとの空を見にきて下さい!」と
二本松市がPRするのも納得。

 

で、私が身を置いたJICAの訓練所は、

詩に出てくる安達太良山の中腹にあります。

 

晴れた日に仲間と近くを散策しながら
「これがほんとの空かぁ」
にわか光太郎ファンにもなりました。

 

 

ただ、私は青空だけでなく、
いかにも山らしい、雲に覆われた空
この地になじんでいて好きでした。

 

二本松市内・安達太良山ロープウェイ乗り場
二本松市内・岳温泉街近くにある池

智恵子が「ほんとの空」を見たのは
100年近く前。
私が見たものとは違うかも知れません。

 

今や日本でも、夏は熱帯並の暑さです。

日本もいつかハノイのように、
青空が「いい天気」じゃなくなる日が
くるのでしょうか。

それは何かが失われた気がするから
青空が似合う日本であって欲しいけれど、

 

ここ数日眺めているハノイの景色は
やっぱり薄曇りがよく似合います。

隔離部屋の窓から
「いい天気」を見ながら、
そんなことを思いました。

 

みんな違って、みんないい。

 

これはまた別の詩か。

 

さあ、もうすぐ隔離も終わり。
替えのTシャツを山ほど持って、
ハノイにどっぷり浸かります。

 

 

読んでいただきありがとうございます!

 

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